ある日突然、仕事やプライベートで使っている大切なDell製パソコンの電源が入らなくなり、Dellの電源がオレンジ点滅2回、白4回を繰り返していてお困りではないでしょうか。
Dellの電源オレンジ点滅パターンは、パソコン内部で発生している問題をユーザーに知らせる重要なサインです。
例えば、オレンジの点滅がずっと続く深刻な場合や、Dellのオレンジ点滅2回白1回(CPU異常)、あるいはノートPC特有のDellのオレンジ点滅2回白7回(液晶異常)など、その組み合わせは多岐にわたります。
他にもDellのオレンジ点滅2回白5回(無効なメモリ)、オレンジ点滅3回白1回(CMOS電池切れ)、オレンジ点滅4回白1回(メモリエラー)、オレンジ点滅2回白2回(基板エラー)、そしてオレンジ点滅2回白3回(メモリ未検出)といったように、それぞれのパターンが異なる原因を示唆しています。
この記事では、あなたのパソコンで起きているエラーコードの意味を正確に解読し、ご自身で試せる対処法から専門家へ相談するタイミングまで、手順に沿って分かりやすく解説します。
Dellのオレンジ点滅が2回と白4回はメモリ故障のサイン
- 電源ランプのオレンジ点滅パターンの基本
- オレンジ点滅2回と白3回はメモリ未検出
- オレンジ点滅2回と白5回は無効なメモリ
- オレンジ点滅4回と白1回はメモリ読み書きエラー
- オレンジ点滅がずっと続く場合の対処法
Dell製のパソコン電源ランプのオレンジ点滅パターンの基本

Dell製のパソコンが起動しない際に電源ランプが点滅するのは、「診断インジケーター」と呼ばれる自己診断機能が作動しているサインです。
これは、電源投入時に行われるPOST(Power-On Self-Test)と呼ばれる初期診断プロセスで異常が検知された際に、どのハードウェアに問題が発生しているのかをユーザーに知らせるためのものです。
点滅は主に「オレンジ色(Amber)」と「白色(White)」の2色で構成されており、それぞれの点滅回数の組み合わせが特定のエラーコードに対応しています。
これにより、モニターに何も表示されない「画面真っ暗」の状態でも、ビープ音と合わせて問題の原因をある程度絞り込むことが可能になります。
モデルによる違いに注意
診断インジケーターの点滅パターンとその意味は、お使いのパソコンのモデル(例:Inspiron, Latitude, OptiPlex, Vostroなど)や世代によって異なる場合があります。
これは、搭載されているマザーボードやBIOSの仕様が違うためです。
より正確な情報を得るためには、お使いのモデル名でDellの公式サポートページでマニュアルを確認することが最も確実です。
トラブルシューティングの第一歩として、まずはオレンジが何回点滅した後に、少し間を置いてから白が何回点滅するのかを落ち着いて数えることが重要です。
オレンジ点滅2回と白3回はメモリ未検出

電源ランプが「オレンジ2回、白3回」のパターンで点滅している場合、これは「メモリモジュールが検出されない」というエラーを示しています。
システムが起動するために不可欠なメモリ(RAM)が、マザーボードに正しく認識されていない状態です。
このエラーが発生する主な原因としては、物理的な接続問題が考えられます。
- メモリの接触不良:パソコン内部へのホコリの蓄積、湿気による端子の錆び、あるいは輸送時の振動などが原因で、メモリスロットからメモリがわずかに浮き上がり、接触不良を起こしている状態です。
- メモリスロットの不具合:メモリを挿し込むマザーボード側のスロット自体に、ホコリが詰まっていたり、物理的な損傷があったりするケースです。
作業前の静電気対策は必須
パソコンの内部パーツ、特にメモリは静電気に非常に弱い部品です。
作業を行う前には、必ず静電気防止手袋を着用するか、水道の蛇口など金属製のものに触れて体内の静電気を逃がしてください。
これを怠ると、正常なパーツまで故障させてしまう可能性があります。
多くの場合、一度メモリを取り外して端子部分を清掃し、再度しっかりと挿し直すことで改善する可能性があります。
デスクトップパソコンであれば比較的簡単に試せますが、ノートパソコンの分解は機種によって難易度が大きく異なるため、自信がない場合は無理をせず専門業者に相談することをおすすめします。
オレンジ点滅2回と白5回は無効なメモリ

「オレンジ2回、白5回」の点滅パターンは、「無効なメモリモジュールが取り付けられている」ことを意味します。
これは、システムがメモリスロットに何かが挿さっていることは認識したものの、互換性がない、あるいは規格が違うために「これは使えません」と判断した場合に表示されるエラーです。
ご自身でメモリの増設や交換を行った直後にこのエラーが発生した場合、購入したメモリがお使いのパソコンに対応していない可能性が非常に高いです。
メモリには「DDR3」「DDR4」「DDR5」といった世代の規格や、データの転送速度を示す動作クロック、ECC(エラー訂正機能)の有無など、非常に多くの仕様があります。
一つでもパソコンの仕様と合わないものを取り付けると、このエラーが表示され起動できません。
メモリの仕様を確認する方法
現在お使いのパソコンに搭載されているメモリの正確な仕様を知りたい場合は、「CPU-Z」などの無料のシステム情報表示ソフトを利用すると便利です。
このソフトを使えば、メーカー、型番、規格などを詳細に確認できるため、同じ仕様のメモリを購入する際のミスマッチを防げます。
もし元のメモリが手元にある場合は、一度元のメモリに戻して正常に起動するかを確認し、問題がなければ新しく購入したメモリの仕様を再度確認しましょう。
オレンジ点滅4回と白1回はメモリ読み書きエラー

「オレンジ4回、白1回」の点滅は、一部のモデルで報告されており、これは「メモリの読み書きに失敗した(メモリエラー)」ことを示しています。
前述の「未検出」や「無効」が接続や互換性の問題であるのに対し、このエラーはメモリチップ自体が物理的に故障している可能性が高い状態です。
メモリは精密な半導体デバイスであるため、静電気、過度な熱、電源の不安定さ、あるいは製造上の初期不良など、様々な要因で内部の回路が損傷することがあります。
このエラーが出た場合は、メモリの挿し直しで改善することは稀で、正常に動作する新しいメモリへの交換が必要になるケースがほとんどです。
もしメモリスロットが2つ以上あり、メモリを2枚挿している場合は、以下の手順で故障しているメモリを特定できる場合があります。
故障メモリの特定手順
- パソコンの電源を切り、電源ケーブルを抜いて放電します。
- 2枚挿さっているメモリのうち、1枚を抜き取ります。
- その状態でパソコンを起動し、エラーが再現するか確認します。
- エラーが出なければ、抜き取ったメモリが故障原因です。エラーが再現する場合は、挿したままのメモリが故障している可能性が高いです。
- 念のため、一度メモリを入れ替えて再度確認すると、より確実性が高まります。
オレンジ点滅がずっと続く場合の対処法

特定の回数で点滅するのではなく、電源ランプが「オレンジ色に点灯したまま」あるいは「ずっとオレンジ色に点滅し続ける」場合、これは電源ユニット(PSU)の異常やマザーボードの致命的な障害など、パソコンの電源供給システム全体に関わる深刻な問題を示している可能性があります。
この状態は、人間で言えば心臓や大動脈に問題が起きているようなものです。個人でできることは限られますが、まず試すべき応急処置があります。
このような場合に最も効果が期待できる対処法が「放電」です。
パソコン内部のコンデンサなどに不要な電気が帯電することで、保護回路が作動して正常な起動が妨げられていることがあるためです。
この残留電荷をリセットすることで、状況が改善する場合があります。
基本的な放電手順(詳細版)
- パソコンの電源を完全にシャットダウンします。(電源ボタン長押しで強制終了)
- 電源ケーブルを壁のコンセントおよびパソコン本体から抜きます。
- ノートパソコンの場合は、取り外し可能なバッテリーパックを外します。
- USBメモリ、マウス、キーボード、プリンター、外部モニターなど、接続している全ての周辺機器を取り外します。
- この状態で、電源ボタンを30秒ほど長押しします。これにより、内部回路に残った電気が強制的に放出されます。
- そのまま5分から10分程度放置します。
- 最初に電源ケーブルのみを接続し、電源を入れてみます。
この放電作業で改善しない場合は、電源ユニットやマザーボードの物理的な故障が濃厚です。
これらのパーツ交換は高額になることも多く、個人での対処は困難なため、速やかに修理業者へ診断を依頼することをおすすめします。
Dell製のパソコンのオレンジ点滅2回と白4回以外のエラー
- オレンジ点滅2回と白1回はCPUの障害
- オレンジ点滅2回と白2回は基板エラー
- オレンジ点滅2回と白7回はLCDの異常
- オレンジ点滅3回と白1回はCMOS電池エラー
- オレンジ点滅2回と白4回の対処法まとめ
オレンジ点滅2回と白1回はCPUの障害

「オレンジ2回、白1回」という点滅パターンは、診断インジケーターが示すエラーの中でも特に深刻なもので、CPU(中央処理装置)の障害を示しています。
CPUは「パソコンの脳」として全ての計算処理を担う中核部品であり、ここに問題が発生するとパソコンは起動シーケンスに入ることすらできません。
CPU障害の主な原因には、冷却ファンの故障やCPUグリスの劣化による熱暴走、オーバークロックによる過度な負荷、あるいは経年劣化などが考えられます。
このエラーが表示された場合、個人でできる対処法は残念ながらほとんどなく、CPUの交換や、場合によってはCPUソケットが損傷しているマザーボードごとの交換といった専門的な修理が必要になります。
非常に深刻度の高いエラーコードの一つと認識してください。
オレンジ点滅2回と白2回は基板エラー

「オレンジ2回、白2回」の点滅は、マザーボード(システムボード)、BIOS、またはROMのいずれかにエラーが発生していることを示唆します。
これらはパソコンの全ての部品が接続される土台となる電子回路や、ハードウェアを制御する基本的なプログラムであり、ここに異常があるとシステム全体が正常に動作しません。
BIOS/UEFIとは?
BIOS(バイオス)は、パソコンの電源が入ったときに一番最初に起動し、ハードウェアを初期化・制御するプログラムです。
近年のPCでは、より高機能なUEFI(ユーイーエフアイ)が主流となっていますが、基本的な役割は同じです。
BIOSアップデート中の停電や失敗、マザーボード上のコンデンサの膨張や液漏れ、チップセットの故障などが原因として考えられます。
マザーボード上のCMOSバッテリーを一度外してBIOS設定を初期化する「CMOSクリア」で改善する場合も稀にありますが、多くはマザーボードの修理または交換が必要となる重度の障害です。
オレンジ点滅2回と白7回はLCDの異常

「オレンジ2回、白7回」のパターンは、主にノートパソコンや一体型デスクトップで見られるエラーコードで、LCD(液晶ディスプレイ)の異常を示しています。
この場合、パソコン本体(マザーボードやCPUなど)は起動しようとしているものの、映像を画面に表示する段階で問題が発生している状態です。
具体的な原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 液晶パネル自体の故障やバックライト切れ
- マザーボードと液晶パネルをつなぐケーブルの接触不良や断線(特にノートPCの開閉を繰り返すヒンジ部分で発生しやすい)
- 映像出力を担うGPU(グラフィックチップ)の不具合
このエラーが出た場合の有効な切り分け方法は、HDMIやDisplayPortケーブルを使ってパソコンを外部のテレビやモニターに接続してみることです。
もし外部モニターに正常にデスクトップ画面が映るようであれば、問題はパソコン本体の液晶関連部分にあると特定できます。
オレンジ点滅3回と白1回はCMOS電池エラー

「オレンジ3回、白1回」の点滅は、CMOSバッテリーの障害を示しています。
CMOSバッテリーは、マザーボード上に搭載されている「CR2032」などの型番の小さなボタン電池で、パソコンの電源が完全に切れている間も、日付や時刻、BIOS(UEFI)の設定情報などを保持する役割を担っています。
このバッテリーの寿命(通常3〜5年程度)が尽きると、設定情報が保持できなくなり、パソコンを起動するたびに「時刻がリセットされる」「Press F1 to continueなどのメッセージが表示される」といった症状とともに、このエラーが表示されることがあります。
CMOSバッテリーの交換は比較的安価(数百円程度)で簡単な修理の一つですが、交換時は電池の向きを間違えないように注意が必要です。
また、リチウムコイン電池の取り扱いについては、一般社団法人電池工業会などが注意喚起している安全な方法に従ってください。
点滅パターン(オレンジ→白) | 主な原因 | 深刻度 | 推奨される初期対応 |
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2 → 1 | CPUの障害 | 非常に高い | 専門業者へ相談 |
2 → 2 | マザーボード、BIOSのエラー | 非常に高い | 専門業者へ相談 |
2 → 3 | メモリが検出されない | 中 | メモリ挿し直し、スロット清掃 |
2 → 4 | メモリの障害(RAM障害) | 中~高 | メモリ挿し直し、メモリ交換 |
2 → 5 | 無効なメモリが取り付けられている | 低~中 | 適合メモリへの交換 |
2 → 7 | LCD(液晶ディスプレイ)の異常 | 中 | 外部モニターへの接続確認 |
3 → 1 | CMOSバッテリーの障害 | 低 | バッテリー交換 |