Windows 10サポート終了の公式発表を受け、今お使いのパソコンの将来について、具体的な計画を立てられずに不安を感じていませんか。
「サポート終了は嘘つきではないか」という噂や、「この前サポート延長したのになぜ?」といった声も聞かれますが、これらは正確な情報ではありません。
そもそもWindows 10は何年前?という基本的な問いから、Windows 10はいつまで使えるのか?、そしてサポート終了したらどうなるのか、具体的なリスクまで、知っておくべきことは数多くあります。
特に、ビジネスでWindows 10 Proをご利用の方も、サポート終了の扱いは同じです。
今、最も知りたいのは「サポート終了に向けてどうすれば良いのか?」という具体的な対策ではないでしょうか。
この記事では、Windows 10から11にアップグレードしたほうがいいのか?という根本的な判断、Windows 10からWindows 11への無料アップグレードはいつまででか?という期限の問題、さらにはOSの無料ダウンロード方法に至るまで、あなたの疑問と不安に一つひとつ丁寧にお答えします。
最後まで読めば、今取るべき最善の行動が明確になるはずです。
Windows 10のサポート終了の基本情報を解説
- Windows 10のサポート終了は嘘つき?
- そもそもWindows 10は何年前のOS?
- 結局Windows 10はいつまで使えるのか?
- サポート終了したらどうなる?リスクを解説
- Windows 10 Proもサポート終了対象?
- サポート延長したのに終了するのはなぜ?
Windows 10のサポート終了は嘘つき?

結論から申し上げますと、Windows 10のサポートが終了するのは動かせない事実です。
ではなぜ、「サポート終了は嘘つきだ」という声が一部で根強く聞かれるのでしょうか。
その背景には、Windows 10のリリース当時にMicrosoftが打ち出した、ある画期的な方針が関係しています。
Windows 10が登場した際、Microsoftの幹部は「Windows 10がWindowsの最後のバージョンになる」という趣旨の発言をしました。
これは、従来のように数年おきに新しいパッケージ版のOSを発売するビジネスモデルを転換し、Windows 10という基盤の上で継続的に機能更新を行っていく「サービスとしてのWindows(WaaS)」という考え方を示すものでした。
この発表により、多くのユーザーは「一度Windows 10にすれば、永久にサポートが続く」と解釈したのです。
しかし、この方針は後に見直されることになります。
その理由は、主に以下の2点です。
- セキュリティ脅威の高度化: サイバー攻撃の手法は年々巧妙化・複雑化しており、OSの根本的な設計から見直さなければ対応が困難な脅威も出現してきました。
- ハードウェアの進化: CPUに内蔵されるセキュリティ機能や、新しい規格の登場など、ハードウェアの進化にOS側も追随する必要が出てきました。
これらの変化に対応するため、Microsoftはより堅牢でモダンな設計思想に基づいた後継OS、Windows 11を2021年に発表しました。
この大きな方針転換が、結果として「話が違う」「嘘つきだ」と感じるユーザーを生む原因となったのです。
補足:OSのライフサイクルポリシー
誤解されがちですが、どのようなソフトウェア製品にも「サポートライフサイクル」という寿命が存在します。
これは、製品の品質と安全性を保証できる期間を定めたもので、Microsoftもモダン ライフサイクル ポリシーを公開しています。
Windows 10もこのポリシーに従い、約10年という一つの節目を迎えることになりました。
このように、過去の経緯から混乱が生じやすい状況ではありますが、公式にサポート終了が決定している以上、私たちはその事実に目を向け、適切な準備を進めることが不可欠です。
そもそもWindows 10は何年前のOS?

Windows 10がMicrosoftから正式にリリースされたのは、2015年7月29日です。
サポートが終了する2025年10月には、登場から満10年を迎えることになります。
この「約10年」というサポート期間は、IT業界、特にOSの世界では一つの標準となっています。
例えば、多くの企業で長く愛用されたWindows 7も2009年から2020年までの約10年間、その前身であるWindows XPも2001年から2014年までの12年以上にわたりサポートが提供されました。
このため、Windows 10のサポート期間が特別に短いわけではなく、むしろこれまでのWindowsの歴史に沿った、標準的なライフサイクルと言えます。
考えてみれば、この10年間で私たちのデジタル環境は劇的に変化しました。
- スマートフォンの性能は飛躍的に向上し、PCとの連携が当たり前になりました。
- Web会議やクラウドサービスの利用が一般化しました。
- サイバー攻撃はより巧妙になり、個人情報や金銭を狙う脅威が日常に潜んでいます。
長年にわたり安定した動作を提供してきたWindows 10ですが、その基本設計は10年前の価値観に基づいています。
これらの新しい時代の要求に応え、より安全で快適なコンピューティング環境を提供するために、OSの世代交代が必要な時期に来ているのです。
10年前の車と最新の車で安全性能や燃費が全く違うように、OSも時代に合わせて進化していくんですね。
見た目は同じように見えても、中身は大きく変わっているんです。
結局Windows 10はいつまで使えるのか?

Microsoftが公式に定めたWindows 10のサポート終了日は、2025年10月14日です。
この日付を過ぎると、セキュリティ更新を含むすべての公式サポートが原則として提供されなくなります。
ここで非常に重要なポイントは、このサポート期限は、Windows 10の最終バージョンである「バージョン22H2」を利用している場合に限られるという点です。
Windows 10は半期に一度のペースで機能更新プログラムが提供されてきましたが、それらの古いバージョンは既にサポートが終了しています。
お使いのPCのバージョンを今すぐ確認しましょう
ご自身のPCがサポート期間内にあるかを確認するのは非常に簡単です。
以下の手順で確認し、もしバージョンが「22H2」でない場合は、直ちにWindows Updateを行ってください。
- 「スタート」ボタンを右クリックし、メニューから「設定」を選択します。
- 設定画面で「システム」をクリックし、左側のメニューを一番下までスクロールして「詳細情報」を選択します。
- 画面に表示される「Windowsの仕様」という項目の中にある「バージョン」の数字を確認します。
「22H2」と表示されていれば、2025年10月14日までサポートが有効です。
それ以外の数字(例: 21H2など)の場合は、既にサポートが切れているか、間もなく終了するため、大至急のアップデートが必要です。
念のため繰り返しますが、サポートが終了してもPCが起動しなくなるわけではありません。
インターネットに接続したり、USBメモリを挿したりといった日常的な操作を、全くの無防備な状態で行うことになるため、事実上「安全に使える期間」は2025年10月14日までと考えるべきです。
サポート終了したらどうなる?リスクを解説

サポートが終了したOSを「動くから」という理由で使い続ける行為は、鍵のかからない家に住み続けるようなものです。
具体的にどのような危険があるのか、3つの深刻なリスクを詳しく見ていきましょう。
1. セキュリティリスクの爆発的な増大
これが最も致命的かつ避けられないリスクです。
サポート終了後、新たに発見されたシステムの脆弱性は一切修正されません。
攻撃者はこの「永遠に修正されない弱点」を狙い撃ちするため、サポート切れOSはサイバー攻撃の格好の標的となります。
- ウイルス・マルウェア感染: 個人情報、クレジットカード情報、各種アカウントのパスワードなどが簡単に盗まれてしまいます。
- ランサムウェア被害: PC内の写真や仕事のファイルが全て暗号化され、元に戻すために高額な身代金を要求されます。支払ってもデータが戻る保証はありません。
- 不正アクセスの踏み台化: あなたのPCが乗っ取られ、気づかないうちに他者への攻撃や迷惑メールの送信元として悪用されてしまいます。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)も、サポートが終了したOSを使い続ける危険性について繰り返し注意喚起を行っています。
市販のウイルス対策ソフトを導入していても、OS自体の脆弱性を突く攻撃は防ぎきれません。
2. 主要なソフトウェアやWebサービスが利用不可に
Google ChromeのようなWebブラウザや、Microsoft 365(Office)などの主要なアプリケーションは、安全性を維持するために常に最新バージョンへのアップデートが推奨されます。
しかし、これらのソフトもいずれは古いOSのサポートを打ち切ります。
その結果、Webサイトが正しく表示されなくなったり、重要な機能が使えなくなったり、最悪の場合はソフト自体が起動しなくなる可能性があります。
3. 最新の周辺機器が動作しない
新しく購入したプリンター、スキャナー、Webカメラなどが、古いOSに対応したドライバーソフトウェアを提供しておらず、「接続しても認識されない」「本来の性能を発揮できない」といったトラブルが発生します。
Wi-Fi 7のような新しい通信規格にも対応できず、せっかくの高速なインターネット環境を活かせないといった事態も起こり得ます。
これらのリスクは、インターネットに接続さえしなければ回避できると考えるのは早計です。
ウイルスに感染したUSBメモリを挿しただけで、オフラインのPCも深刻な被害を受ける可能性があります。
大切な資産と情報を守るため、サポート終了後の継続利用は絶対に避けてください。
Windows 10 Proもサポート終了対象?

はい、その通りです。
ビジネス用途で広く使われているWindows 10 Proも、個人向けのHomeエディションと全く同じ、2025年10月14日でサポートが終了します。
Windows 10には複数のエディションが存在し、それぞれ搭載機能が異なりますが、基本的なサポート期間のポリシーは共通しています。
HomeとProの主な違いは、以下の表の通りです。
機能 | Windows 10 Home | Windows 10 Pro | 概要 |
---|---|---|---|
BitLockerデバイス暗号化 | ❌ | ✅ | ドライブを暗号化し、盗難や紛失時のデータ漏洩を防ぐ機能。 |
リモートデスクトップ | クライアントのみ | ホスト・クライアント | 他のPCから自分のPCに接続し、遠隔操作する機能。 |
グループポリシー管理 | ❌ | ✅ | 組織内でPCの設定を統一的に管理するための機能。 |
Hyper-V (仮想化) | ❌ | ✅ | 1台のPC上で複数のOSを同時に動かすための機能。 |
このように、Proエディションにはセキュリティや管理機能が追加されていますが、これらはあくまで機能的な違いです。
OSの根幹を成すコア部分は共通であり、セキュリティ更新プログラムの提供が停止するというサポート終了の根幹は、すべてのエディションで同一です。
例外:LTSC(長期サービスチャネル)版
前述の通り、工場の生産ラインや医療機器の制御など、頻繁なアップデートが許されない特定の業務用途向けに「LTSC(Long-Term Servicing Channel)」という特殊なエディションが存在します。
こちらはサポート期間が通常より長く設定されていますが、一般のPCユーザーや中小企業が利用するケースはまずありません。
ご自身のPCが家電量販店やPCメーカーから購入した一般的なものであれば、この例外には該当しないと考えて間違いありません。
したがって、現在Windows 10 Proをご利用の場合も、Homeユーザーと同様に、期限までの移行計画が必須となります。
サポート延長したのに終了するのはなぜ?

「サポートが1年延長されたから、まだ大丈夫」という話を耳にしたことがあるかもしれませんが、これは状況を楽観視しすぎている可能性があり、注意が必要です。
この「サポート延長」は、無条件で全てのサポートが継続されるわけではなく、あくまで限定的な救済措置です。
この措置は、正式には「ESU(Extended Security Updates)」と呼ばれるプログラムです。
直訳すると「拡張セキュリティ更新」となり、その名の通り、提供されるのは深刻なセキュリティ問題に対応するための更新プログラムのみです。
新機能の追加や性能改善、技術的な問い合わせサポートなどは一切含まれません。
1. 法人向けの有料ESU
元々ESUは、多数のPCを管理しており、期限内の移行が物理的に困難な大企業などを対象とした有料サービスです。
年間契約で費用を支払うことで、最長3年間(2028年10月まで)セキュリティ更新のみを受け取ることができます。
年々価格が上昇していく仕組みになっており、あくまで移行を完了させるまでの「時間稼ぎ」という位置づけです。
2. 個人向けの1年間無料ESU
この有料ESUを、個人ユーザーに限り最初の1年間(2025年10月15日~2026年10月14日)を無料で提供する、と2024年6月にMicrosoftが発表しました。
これは、依然として多くの個人ユーザーがWindows 10を使い続けている現状を考慮した、異例の措置と言えます。
無料ESUには条件と狙いがある
ただし、この無料ESUを利用するには、以下の条件を満たす必要があるとされています。
- PCでMicrosoftアカウントを使用していること。
- クラウドストレージ「OneDrive」でPCの設定をバックアップしていること。
これは、ユーザーをMicrosoftのクラウドサービスに深く結びつけ、エコシステム内に留めておきたいという戦略的な狙いもあると考えられます。
また、1年後には有料に切り替わるため、根本的な解決策にはなりません。
結論として、「サポート延長」はあくまで本格的な移行準備ができていないユーザーのための「猶予期間」です。
この1年があるからと安心するのではなく、この期間を有効活用して、Windows 11へのアップグレードやPCの買い替えを着実に進めることが賢明な判断と言えるでしょう。
Windows 10のサポート終了へ具体的な対策
- サポート終了に向けてどうすれば良いのか?
- Windows 10から11にアップグレードすべきか?
- Windows 10から11への無償アップグレードはいつまで?
- インストールメディアの無料ダウンロード方法
- まとめ:Windows 10サポート終了に備えよう
サポート終了に向けてどうすれば良いのか?

Windows 10のサポート終了という期限が迫る中、私たちが取り得る具体的な選択肢は、大きく分けて4つあります。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身のPCの状況や今後の使い方に最も合った方法を選択することが重要です。
選択肢 | 概要 | メリット | デメリット | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|---|
1. Windows 11へアップグレード | 現在使用しているPCがシステム要件を満たしている場合に、OSのみを無料でWindows 11に更新する。 | ✅ 費用がかからない ✅ ファイルや設定を引き継げる ✅ 環境の変化が最小限 | ❌ システム要件が厳しい ❌ UIの変更に慣れが必要 ❌ PC本体の老朽化は解決しない | ・PCが比較的新しい(3~4年以内) ・PCの動作に不満がない ・コストをかけたくない |
2. 新しいPCに買い替える | Windows 11が最初からインストールされている新しいパソコンを購入する。 | ✅ PC全体の性能が飛躍的に向上 ✅ 最新のセキュリティと機能 ✅ メーカー保証が受けられる | ❌ 購入費用がかかる ❌ データや設定の移行作業が必要 ❌ 周辺機器の再設定が必要 | ・PCが古い(5年以上) ・動作が遅いなど不満がある ・これを機に環境を一新したい |
3. ESUで1年間延命する | 個人向け無料ESUを利用し、2026年10月までセキュリティ更新のみを受け取る。 | ✅ 1年間の時間的猶予ができる ✅ 差し迫った出費を先送りできる ✅ 移行計画をじっくり立てられる | ❌ あくまで一時しのぎ ❌ 1年後には再び問題に直面 ❌ 機能更新はなく利便性は向上しない | ・今すぐの出費が難しい ・移行先のソフトの対応待ち ・移行作業の時間が取れない |
4. 他のOS(Linux等)へ移行する | Windowsの代わりに、Linuxなどの無料OSをインストールしてPCを再利用する。 | ✅ OSの費用が無料 ✅ 古いPCでも軽快に動作 ✅ セキュリティが高い | ❌ 専門的な知識と操作が必要 ❌ Windows用ソフトやゲームは原則使えない ❌ トラブルは自己解決が基本 | ・PCの知識が豊富 ・Web閲覧や文書作成が主用途 ・古いPCを有効活用したい |
ほとんどの一般ユーザーにとって、最も現実的で安全な選択肢は「1. Windows 11へのアップグレード」または「2. 新しいPCへの買い替え」のいずれかです。
まずは、ご自身のPCがWindows 11の最小システム要件を満たしているかどうかを、「PC正常性チェックアプリ」を使って確認することから始めましょう。
Windows 10から11にアップグレードすべきか?

お使いのパソコンがWindows 11のシステム要件を満たしている場合、無償でのアップグレードは非常に魅力的で、検討すべき筆頭の選択肢です。
アップグレードを実行すべきかどうかの最終判断を下すために、そのメリットとデメリットをさらに深く掘り下げてみましょう。
Windows 11にアップグレードする明確なメリット
- セキュリティの飛躍的な向上: Windows 11では、「TPM 2.0」や「セキュアブート」といったハードウェアベースのセキュリティ機能が必須要件となっています。これにより、OSが起動する前の段階でマルウェアが介入することを防ぐなど、OSの根幹から安全性が強化されています。
- 洗練されたデザインと操作性: スタートメニューやタスクバーが中央に配置された新しいUIは、モダンでタッチ操作にも親和性が高いデザインです。また、複数のウィンドウを綺麗に整列できる「スナップレイアウト」機能は、作業効率を大幅に向上させます。
- 将来性と継続的なサポート: Windows 11はMicrosoftの現行OSであり、今後も定期的に新機能の追加や品質改善のアップデートが提供されます。最新のソフトウェアや周辺機器もWindows 11を基準に開発されるため、長期的に安心して使用できます。
Windows 11にアップグレードする際のデメリットと注意点
- 慣れ親しんだ操作性の変化: 特にタスクバーの右クリックメニューが簡素化されるなど、Windows 10で慣れ親しんだ操作の一部が変更されています。最初は戸惑う可能性がありますが、多くは設定変更や慣れで解決できます。
- 厳格なシステム要件: Microsoftが定めるWindows 11のシステム要件は、特にCPUの世代が比較的新しいものに限定されています。2018年以前に購入したPCの多くは、性能的には十分でもCPUが対応リストに含まれていない場合があります。
- ソフトウェアの互換性問題: ほとんどのソフトウェアは問題なく動作しますが、企業の基幹システムに接続する特殊なソフトや、古い会計ソフト、特定のハードウェアを制御するドライバなどは、事前に開発元のWebサイトでWindows 11への対応状況を確認する必要があります。
結論として、セキュリティという最も重要な要素において計り知れないメリットがあるため、システム要件を満たしているのであれば、アップグレードしない理由はありません。
まずは大切な個人データを外部ストレージなどにバックアップした上で、アップグレードを実行してみることを強くお勧めします。(万が一、使い勝手に馴染めない場合でも、アップグレード後10日以内であれば簡単な操作でWindows 10に戻すことが可能です。)
Windows 10から11への無償アップグレードはいつまで?

現在、条件を満たすWindows 10搭載PCからWindows 11へのアップグレードは無償で提供されています。
しかし、多くの方が気になる「この無償期間は一体いつまで続くのか?」という問いに対して、Microsoftは現時点で明確な終了日を発表していません。
この状況は、過去のWindows 7や8.1からWindows 10への無償アップグレードキャンペーンと似ています。
当時もキャンペーンは当初1年間と告知されていましたが、実際にはその後も長期間にわたって無償でのアップグレードが可能でした。
この前例を踏まえると、Windows 11への無償アップグレードも、急に打ち切られる可能性は低いと推測されます。
しかし、重要なのは、Microsoftが「無償アップグレードを提供する権利を最終的に留保する」と公式に明言している点です。
これは、いわば「私たちの都合でいつでも終了する可能性がありますよ」という宣言に他なりません。
サポート終了日である2025年10月14日が近づくにつれて、駆け込みでアップグレードを試みるユーザーが急増することが予想されます。
そうなると、以下のような問題が発生する可能性があります。
- ダウンロードサーバーが混雑し、アップデートに非常に時間がかかる。
- 予期せぬトラブルが発生した際に、メーカーやMicrosoftのサポート窓口が電話やチャットで繋がりにくくなる。
- 落ち着いてデータのバックアップや事前の準備をする時間がなく、作業ミスを誘発する。
したがって、「無料だからいつでもできる」と先延ばしにするのは賢明ではありません。
予期せぬトラブルにも余裕を持って対処できるよう、PCの買い替えなどを伴わない場合は、できるだけ早期にアップグレードを完了させておくことを強く推奨します。
インストールメディアの無料ダウンロード方法

Windows 11へのアップグレードは、設定画面の「Windows Update」から行うのが最も手軽で簡単な方法です。
しかし、インターネット接続が不安定な環境で作業する場合や、複数のPCを効率的にアップグレードしたい、あるいはOSをクリーンインストールしてPCをリフレッシュしたい場合には、「インストールメディア」を作成するのがおすすめです。
このメディアを作成するためのツールは、Microsoftの公式サイトから誰でも無料でダウンロードできます。
ステップ1:PCが要件を満たしているか最終確認
作業を始める前に、対象のPCがWindows 11のシステム要件を満たしているかを最終確認します。
Microsoft公式の「PC正常性チェックアプリ」を使えば、数クリックで診断が完了します。
- Microsoft公式サイトのWindows 11紹介ページにアクセスします。
- ページを少し下にスクロールし、「互換性の確認」セクションにある「PC正常性チェックアプリのダウンロード」をクリックして、アプリをPCにインストールします。
- アプリを起動し、「Windows 11のご紹介」という欄にある「今すぐチェック」ボタンをクリックします。
ここで「このPCはWindows 11の要件を満たしています」と表示されれば準備OKです。
「要件を満たしていません」と表示された場合は、どの項目が原因か(例:TPM 2.0が有効でない、CPUがサポート対象外など)が表示されるので、内容を確認してください。
ステップ2:メディア作成ツールのダウンロードと実行
PCが対応していることを確認できたら、いよいよインストールメディアを作成します。
- Windows 11のダウンロードページにアクセスします。
- ページの中ほどにある「Windows 11のインストールメディアを作成する」という項目を探し、「今すぐダウンロード」ボタンをクリックします。
- ダウンロードされた「MediaCreationToolW11.exe」というファイルを実行します。
- ライセンス条項に同意し、「言語とエディションの選択」画面に進みます(通常は初期設定のままで問題ありません)。
- 「使用するメディアを選んでください」の画面で、「USBフラッシュドライブ」を選択します。(この先の作業で、USBメモリ内のデータはすべて消去されるため、空もしくは不要なデータが入った8GB以上のUSBメモリをPCに接続してください。)
- PCに接続されているUSBドライブの一覧が表示されるので、正しいドライブを選択して「次へ」をクリックすると、ダウンロードとメディアの作成が自動的に開始されます。
この手順で作成したUSBメモリをPCに接続したまま再起動することで、Windows 11のインストールプロセスを開始できます。
1つ作成しておけば、万が一PCの調子が悪くなった際のOS修復ツールとしても活用できるため、非常に便利です。
まとめ:Windows 10サポート終了に備えよう
最後に、この記事で解説してきたWindows 10サポート終了に関する重要なポイントと、今すぐ取るべきアクションを一覧でまとめます。
ご自身の状況を確認し、計画的な移行準備を進めましょう。