iMacのログインパスワードを忘れてしまい、画面の前で途方に暮れていませんか。
パスワードが分からなければiMacが起動できず、大切なデータにもアクセスできません。
特に、パスワードが合っているはずなのにログインできない場合や、パスワードリセットオプションが表示されない状況では、どうすれば良いか混乱することもあるでしょう。
また、管理者パスワードの確認方法が分からなかったり、ログインパスワードを調べるにはどうすればよいのか、あるいはパスワード無しでログインするにはどうすればいいのかといった疑問も浮かぶかもしれません。
パスワードを3回間違えたらどうすればいいのか、最悪の場合、初期化も覚悟しなければならないのかと不安になることもあるかと存じます。
しかし、落ち着いて対処すれば解決できる道筋はあります。
この記事では、iMacのログインパスワードを忘れたという絶望的な状況から脱するための具体的な手順を網羅的に解説します。
iMacでログインパスワードを忘れた時の初期対応
- 3回間違えたら?パスワードリセット手順
- ログインパスワードを調べる方法はある?
- リセットオプションが表示されない時の対策
- Apple IDでパスワードをリセットする
- FileVault復旧キーでリセットを試す
3回間違えたら?パスワードリセット手順

iMacのログインパスワードを連続して間違えると、パスワードのリセットに関するオプションが表示されることがあります。
これは、ユーザーを助けるための重要な機能の一つです。
通常、パスワード入力を3回程度失敗すると、パスワードフィールドの横に疑問符が表示されたり、「Apple IDを使ってリセットできます」や「再起動してパスワードリセットのオプションを表示」といったメッセージが現れることがあります。
このメッセージが表示された場合、画面の指示に従ってクリックし、リセットプロセスを開始してください。
リセットプロセスでは、Apple IDの情報を入力したり、事前に設定していればFileVaultの復旧キーを求められたりすることがあります。
Apple IDを使用する場合、信頼できる他のデバイスで認証コードの入力を求められる二段階認証が必要になることもあります。
手順に沿って進めると、新しいパスワードを設定する画面に至り、その後iMacを再起動して新しいパスワードでログインできるようになります。
もし、これらのリセットメッセージが表示されない場合は、アカウントが一時的にロックされている可能性も考えられます。
その際は、しばらく時間をおいてからMacを再起動し、再度試してみてください。
それでも解決しない場合は、他のリセット方法を検討する必要があります。
ログインパスワードを調べる方法はある?

iMacのログインパスワードを忘れてしまった場合、「どこかに記録されていないか」「調べる方法はないのか」と考えるのは自然なことです。
しかし、セキュリティの観点から、macOSがログインパスワードそのものを簡単に表示したり、調べたりできる機能は提供していません。
パスワードは暗号化されて保存されており、それを直接読み解くことは困難です。
ただし、アカウント設定時に「パスワードのヒント」を設定していた場合は、ログイン画面でパスワード入力を数回間違えた際に、そのヒントが表示されることがあります。
このヒントがパスワードを思い出す手助けになるかもしれません。
それ以外で「調べる」という直接的な方法はありませんので、基本的にはパスワードをリセットする方向で対処を進めることになります。
Apple IDや復旧キー、リカバリーモードなどを利用したリセット手順が主な解決策となります。
これらの方法で新しいパスワードを設定し、再びiMacにアクセスできるようにすることが目標です。
リセットオプションが表示されない時の対策

ログインパスワードを何度か間違えても、期待している「パスワードをリセット」関連のオプションがログインウィンドウに表示されない場合があります。
このような状況では、いくつか試せる対策があります。
まず、Macを一度再起動してみることをお勧めします。
単純な再起動で問題が解消し、リセットオプションが表示されるようになることもあります。
再起動するオプションが画面にない場合は、電源ボタンを10秒ほど長押しして強制的に電源を切り、再度電源を入れ直してみてください。
次に、キーボードの入力言語設定が正しいか確認します。
ログインウィンドウの隅にある入力メニューで、意図した言語(日本語または英語など)になっているか確かめてください。
Caps Lockがオンになっていないかも併せて確認しましょう。
これらの基本的な確認を行ってもリセットオプションが表示されない場合、macOSのバージョンやMacのモデル、または設定状況によっては、ログインウィンドウからの直接的なリセットが利用できないケースも考えられます。
そのような場合は、次に解説するApple IDを使ったリセットや、後述する復旧(リカバリー)モードからのパスワードリセットといった、より強制力の高い手段を試す必要が出てきます。
Apple IDでパスワードをリセットする

iMacのログインパスワードリセットにおいて、Apple IDは非常に有効な手段の一つです。
多くのMacユーザーは、自分のApple IDとユーザーアカウントを紐付けており、これを利用してパスワードを再設定できます。
パスワード入力画面で数回入力を間違えると、「Apple IDを使ってリセットできます」というオプションが表示されることがあります。
このオプションが表示されたら、それをクリックし、画面の指示に従ってApple IDとそのパスワードを入力してください。
認証が成功すると、パスワードをリセットしたいユーザーアカウントを選択し、新しいログインパスワードを設定する画面に進むことができます。
Apple IDが不明な場合
もしApple IDのパスワード自体を忘れてしまった場合は、まずAppleのウェブサイト(iforgot.apple.com)などからApple IDのパスワードリセットを行う必要があります。
他のAppleデバイス(iPhoneやiPadなど)をお持ちであれば、そこからApple IDのパスワードを変更することも可能です。
この方法は比較的簡単で、データも保持されたままパスワードをリセットできる可能性が高いです。
ただし、iMacがインターネットに接続されている必要があります。
また、FileVaultによるディスク暗号化の設定状況によっては、この方法が利用できない、あるいは追加の手順が必要になることもあります。
FileVault復旧キーでリセットを試す

FileVaultは、Macの起動ディスク全体を暗号化してデータを保護する機能です。
FileVaultを有効にしている場合、ログインパスワードのリセットに「復旧キー」を使用できることがあります。
復旧キーは、FileVaultを設定した際に生成される24文字の英数字のコードで、安全な場所に保管しておくよう指示されるものです。
ログインパスワードを何度か間違え、「復旧パスワードを使ってリセットできます」といったメッセージが表示された場合、または再起動後にそのようなオプションが現れた際に、この復旧キーが役立ちます。
画面の指示に従い、保管しておいた復旧キーを正確に入力してください。
入力が正しければ、新しいログインパスワードを設定する画面に進むことができます。
復旧キーを紛失してしまった場合、またはFileVault設定時に復旧キーの作成を選択せず、代わりにApple IDによるリセットを許可していた場合は、この方法でのリセットはできません。
Apple IDによるリセット方法を試すか、他の手段を検討する必要があります。
FileVaultを有効にしている場合のパスワード忘れは、データ保護が強固である分、リセット手段が限られることがあります。
そのため、復旧キーの保管は非常に大切です。
iMacでパスワード忘れたが解決しない時の高度な対処
- 管理者パスワードの確認とリセット方法
- パスワードが合ってるのにログインできない
- iMacが開けない!リカバリーモード活用
- パスワード無しでログインできる?
- 最終手段:iMacを初期化する
- iMacのログインパスワード忘れた時のまとめ
管理者パスワードの確認とリセット方法

iMacには、標準ユーザーとは別に「管理者」アカウントが存在します。
管理者アカウントは、ソフトウェアのインストールやシステム設定の変更など、より広範な権限を持っています。
ログインパスワードを忘れたのが管理者アカウントの場合、または標準ユーザーのパスワードをリセットするために管理者権限が必要な場合があります。
管理者パスワードの確認
前述の通り、パスワード自体を直接「確認」する機能はmacOSには備わっていません。
これはセキュリティを維持するためです。
したがって、忘れてしまった管理者パスワードも、基本的にはリセットすることになります。
管理者パスワードのリセット方法
管理者パスワードのリセット方法は、基本的にユーザーアカウントのパスワードリセット手順と同様です。
- Apple IDを使用する: 管理者アカウントがApple IDに紐づいている場合、ログイン画面で数回パスワード入力を間違えた後に表示されるオプションから、Apple IDを使ってリセットできます。
- FileVault復旧キーを使用する: FileVaultが有効で復旧キーを設定している場合、それを利用してリセット可能です。
- 別の管理者アカウントを使用する: もしiMacに複数の管理者アカウントがあり、そのうちの一つにログインできる場合は、そのアカウントからパスワードを忘れた管理者アカウントのパスワードをリセットできます。「システム環境設定」(または「システム設定」)の「ユーザとグループ」から対象のアカウントを選択し、「パスワードをリセット」を実行します。
- macOS復旧(リカバリーモード)を使用する: 上記の方法が使えない場合、macOS復旧モードからターミナルを起動し、
resetpassword
コマンドを実行することで、パスワードリセットアシスタントを起動し、管理者パスワードを含む任意のユーザーアカウントのパスワードをリセットできます。詳しい手順は後のセクションで触れます。
どの方法を用いるにしても、画面の指示に注意深く従うことが大切です。
管理者パスワードのリセットはシステムに深く関わる操作のため、慎重に行ってください。
パスワードが合ってるのにログインできない

iMacのログインパスワードは覚えているはずなのに、なぜかログインできない、という状況に陥ることがあります。
これは非常に困惑する事態ですが、いくつかの原因と対処法が考えられます。
まず最も基本的な確認事項として、Caps Lockキーが意図せずオンになっていないか、キーボードの入力言語(日本語入力と英字入力など)が正しいかを確認してください。
パスワードは大文字と小文字を区別するため、これらの状態が異なると正しいパスワードを入力しても認証されません。
次に、システムに一時的な不具合が発生している可能性も考慮し、iMacを再起動してみましょう。
電源ボタンを長押しして強制終了し、少し待ってから再度起動することで問題が解決する場合があります。
それでもログインできない場合、以下の対処法を試す価値があります。
PRAM/NVRAMリセット
PRAM(パラメータRAM)やNVRAM(不揮発性ランダムアクセスメモリ)には、音量、画面解像度、起動ディスクの選択などの情報が保存されています。
これらの情報が稀に破損し、ログインに影響を与えることがあります。
リセット方法はMacのモデル(Intel搭載かAppleシリコン搭載か)によって異なりますが、Appleのサポートページで確認できます。
Intel搭載Macでは、特定のキーコンビネーションを押しながら起動することでリセットできます。
Appleシリコン搭載Macでは、通常このリセットは不要とされています。
SMCリセット
SMC(システム管理コントローラ)は、電源、バッテリー、ファン、その他のシステム機能を管理しています。
SMCのリセットも、原因不明のログイン問題に有効な場合があります。
これもMacのモデルによって手順が異なります。
これらのリセット作業を行っても状況が改善しない場合は、パスワード自体を間違って記憶している可能性も否定できません。
その際は、前述のパスワードリセット手順を試すことになります。
また、キーボード自体の故障も考えられなくはないため、可能であれば別のキーボードで試してみるのも一つの手段です。
iMacが開けない!リカバリーモード活用

これまでの方法でiMacにログインできない場合、macOS復旧(一般的にリカバリーモードと呼ばれます)を利用したパスワードリセットが強力な解決策となり得ます。
リカバリーモードは、通常の起動とは異なる特殊な環境でMacを起動し、ディスクの修復やmacOSの再インストール、そしてパスワードのリセットなどを行うためのユーティリティ群にアクセスできます。
リカバリーモードの起動方法は、お使いのiMacがIntelプロセッサを搭載しているか、Appleシリコン(M1、M2など)を搭載しているかで異なります。
Intelプロセッサ搭載iMacの場合
- iMacの電源を完全に切ります。
- 電源ボタンを押し、すぐに「Command (⌘) + R」キーを同時に押し続けます。
- Appleロゴや地球儀のアイコンが表示されたらキーを離します。
- 「macOSユーティリティ」ウインドウが表示されれば、リカバリーモードで起動しています。
Appleシリコン搭載iMacの場合
- iMacの電源を完全に切ります。
- 電源ボタンを押し続け、「起動オプションを読み込み中」と表示されるまで待ちます。
- 歯車のアイコンの「オプション」を選択し、「続ける」をクリックします。
- 管理者ユーザーを選択し、そのパスワードを入力するよう求められることがありますが、「すべてのパスワードをお忘れですか?」といったリンクがあればそれをクリックします。
リカバリーモードに入ったら、「macOSユーティリティ」ウインドウの上部メニューバーから「ユーティリティ」を選択し、その中の「ターミナル」を起動します。
ターミナルウインドウが開いたら、resetpassword と入力してReturnキーを押します。
これにより「パスワードをリセット」アシスタントが起動します。画面の指示に従い、パスワードをリセットしたいボリューム(通常はMacintosh HD)やユーザーアカウントを選択し、新しいパスワードを設定してください。
この方法は比較的強力ですが、FileVaultが有効になっている場合など、状況によっては制限があることもあります。
また、操作を誤るとデータを失う可能性もゼロではないため、慎重に進めることが求められます。
パスワード無しでログインできる?

iMacのログインパスワードを忘れてしまった際に、「いっそのことパスワード無しでログインできないか」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
macOSでは、ユーザーアカウント作成時にパスワードを設定することが推奨されており、セキュリティ上もそれが基本です。
しかし、設定によってはパスワードを入力せずに自動ログインするように構成することも可能です。
ただし、これはパスワードを「忘れた」状況とは異なり、事前にそのように設定しておく必要があります。
もしパスワードを忘れてしまい、現在ログインできない状況であるならば、パスワード無しでそのアカウントに直接ログインすることは通常できません。
セキュリティの仕組みがそれを防いでいます。
例外的なケースとして、以前にパスワード無し(空のパスワード)でアカウントを設定していた場合、パスワード入力欄を空のままReturnキーを押すことでログインできる可能性はあります。
しかし、これはセキュリティ上非常に脆弱な設定であり、一般的ではありません。
「パスワード無しでログインしたい」という要望が、パスワードを毎回入力する手間を省きたいという意味であれば、パスワードをリセットしてログインできるようになった後、「システム環境設定」(または「システム設定」)の「ユーザとグループ」で自動ログインを設定し直すか、あるいはパスワードを非常に簡単なもの(ただしセキュリティリスクは高まります)に変更するという選択肢はあります。
しかし、パスワードを忘れて「開けない」状態からの直接的な「パスワード無しログイン」は、基本的には期待できないと理解しておくのが適切です。
まずはパスワードリセットを目指しましょう。
最終手段:iMacを初期化する

これまで紹介したあらゆるパスワードリセット方法を試してもiMacにログインできない、または何らかの理由でそれらの方法が実行できない場合、最終手段としてiMacを初期化(工場出荷状態に戻す)するという選択肢があります。
初期化を行うと、iMac内の全てのデータ、アプリケーション、設定、そしてユーザーアカウントとパスワードが完全に消去されます。
つまり、iMacを購入時の状態に戻すことになります。
これは、パスワードの問題を確実に解消する方法ではありますが、同時に全ての個人データを失うことを意味します。
初期化の手順
iMacを初期化するには、まずmacOS復旧(リカバリーモード)から起動する必要があります。
起動方法は前述の「iMacが開けない!リカバリーモード活用」セクションを参照してください。
リカバリーモードに入ったら、「macOSユーティリティ」ウインドウから「ディスクユーティリティ」を選択します。
ディスクユーティリティで、iMacの内蔵起動ディスク(通常はMacintosh HDまたは同様の名前)を選択し、「消去」を実行します。
フォーマットはAPFSまたはMac OS拡張(ジャーナリング)を選択し、名前を付けてディスクを消去します。
ディスクの消去が完了したら、ディスクユーティリティを終了し、「macOSユーティリティ」ウインドウに戻ります。
そこから「macOSを再インストール」(またはOSのバージョン名)を選択し、画面の指示に従ってmacOSをクリーンインストールします。
初期化の注意点
- データの完全消去: 最も重要な注意点は、データが全て失われることです。Time Machineなどで定期的にバックアップを取っていれば、macOS再インストール後にデータを復元できる可能性がありますが、バックアップがなければデータは戻りません。
- 時間: macOSのダウンロードとインストールには時間がかかることがあります。安定したインターネット接続が必要です。
- Apple ID: 再インストール後、iMacをアクティベートするためにApple IDの入力が必要になる場合があります。
初期化は、他のどの方法でも解決できなかった場合の最後の手段です。
実行する前には、データのバックアップ状況を再確認し、本当に他の方法がないか熟考することが大切です。