macOSのアップデート通知が届き、最新機能への期待に胸を膨らませる一方で、「一体どのくらいの時間がかかるのだろう?」と不安になり、実行をためらってはいませんか。
過去のアップデートで時間がかかりすぎたり、プログレスバーが進まない、あるいは「残り30分」といった表示から一向に変化しないといった苦い経験があると、どうしても慎重になりますよね。
そもそもお使いのMacがアップデート できない 古い機種なのか、それとも他にできない なぜかの理由があるのか、場合によってはリスクを考えてしないほうがいいのかと悩むこともあるでしょう。
この記事では、macOSの最新バージョンを適用する際のアップデート時間の現実的な目安から、アップデートに時間がかかる理由は何?という根本的な疑問、そしてmacOSのアップデートが終わらない時の対処法まで、考えられる原因と具体的な解決策を深く、そして網羅的に解説していきます。
macOSのアップデート時間の目安と要因
- アップデートを行う前に最新バージョンの確認を
- アップデートに時間がかかる理由は何?
- 時間がかかりすぎと感じる主な原因とは
- アップデートをしないほうがいいケース
- アップデートができない古い機種の条件
アップデートを行う前に最新バージョンの確認を

お使いのMacで利用可能な最新のmacOSを確認し、適用することは、快適なMacライフの基本です。
定期的なアップデートは、日々発見されるセキュリティ上の脅威からあなたのMacと個人情報を守り、Appleが提供する便利な新機能を利用するために不可欠なので、月に一度はチェックする習慣をつけましょう。
確認手順は非常にシンプルで、以下の通りです。
- 画面左上のAppleメニュー()をクリックします。
- 表示されたメニューから「システム設定」(古いmacOSでは「システム環境設定」)を選択してください。
- 開いたウィンドウのサイドバーで「一般」をクリックし、右側に表示される項目の中から「ソフトウェアアップデート」を選択します。
この画面を開くと、Macは自動的にAppleのサーバーと通信し、新しいソフトウェアの有無を確認します。
利用可能なアップデートが存在すれば、そのバージョン名(例: macOS Sequoia 15.1)や新機能の詳細と共に、「今すぐアップデート」または「今すぐアップグレード」のボタンが表示されます。
もしアップデートが存在しない場合は、「お使いのMacは最新の状態です」というメッセージが表示され、安心できます。
豆知識:「アップデート」と「アップグレード」の違い
「ソフトウェアアップデート」画面には、「アップデート」と「アップグレード」の2種類のボタンが表示されることがあります。
一般的に、「アップデート」は現在使用しているOSのバージョン内での小規模な修正(例: 14.1 → 14.2)を指し、セキュリティ強化やバグ修正が主です。
一方、「アップグレード」はOSのメジャーバージョン自体を刷新する大規模な更新(例: Sonoma → Sequoia)を指し、多くの新機能が追加されます。
アップグレードの方がファイルサイズが大きく、時間も長くかかる傾向にあります。
自動アップデートの設定で手間なく安全に
「ソフトウェアアップデート」画面の詳細設定で、「自動的にMacを最新の状態に保つ」をオンにしておくと、重要なセキュリティアップデートなどがバックグラウンドで自動的にダウンロード・インストールされるため、常にMacを安全な状態に保つことができます。
ただし、作業中に突然再起動がかかるのを避けたい業務用のMacや、アプリの互換性を慎重に確認したい場合は、この設定をオフにしておき、手動でアップデートする方が確実でしょう。
アップデートに時間がかかる理由は何?

macOSのアップデートにかかる時間は、一概に「〇分で終わります」と断言できるものではありません。
なぜなら、アップデートの種類、ネットワーク環境、お使いのMacの状態など、複数の要因が複雑に絡み合って所要時間が決まるからです。
一般的に、数100MB程度のマイナーアップデートであれば15分〜30分程度で完了しますが、OSの名前が変わり、ファイルサイズが10GBを超えるようなメジャーアップグレードでは、ダウンロードとインストールを合わせて1時間以上、場合によっては数時間を要することも決して珍しくありません。
アップデート時間がこれほどまでに変動する主な理由を、さらに詳しく見ていきましょう。
アップデート時間に大きく影響する4大要因
- アップデートの種類とファイルサイズ:前述の通り、OSの根幹部分を書き換えるメジャーアップグレードは、ファイルサイズが12GBを超えることもあり、ダウンロードだけで時間がかかります。一方、マイナーアップデートは変更点が少ないため、ファイルサイズも小さく、比較的短時間で完了します。
- インターネット回線の速度と安定性:大容量のファイルをAppleのサーバーからダウンロードするため、光回線のような高速で安定した回線と、低速なモバイル回線とでは、ダウンロード時間に数十分から数時間の差が出ます。
- Appleサーバーの混雑状況:新しいmacOSがリリースされた直後の24〜48時間は、世界中のMacユーザーからのアクセスが集中し、サーバーが非常に混雑します。これにより、ダウンロード速度が通常よりも大幅に低下することがあります。
- お使いのMacの性能とストレージ状態:ダウンロード後のインストール作業は、Mac本体の性能に依存します。特に、内蔵ストレージ(SSD/HDD)の読み書き速度と空き容量は重要です。空き容量が少ないと、ファイルの展開や整理に余計な時間がかかり、全体のプロセスが遅延する原因となります。
これらの要因を事前に理解しておくことで、アップデートの進捗が遅く感じられても、「サーバーが混んでいるのかもしれない」「今回はメジャーアップグレードだから時間がかかるんだな」と冷静に状況を判断し、焦らずに対応できるようになります。
時間がかかりすぎと感じる主な原因とは

アップデートに時間がかかる一般的な理由を理解してもなお、「それにしても長すぎる」「3時間経っても終わらない」と感じる場合は、Macを使用しているユーザー側の環境に、アップデートプロセスを妨げる何らかの具体的な原因が潜んでいる可能性が高いです。
特に以下の4つのポイントは、アップデートが異常に長引く典型的な原因として挙げられます。
1. 不安定なインターネット接続
最も頻繁に見られる原因が、インターネット接続の品質です。
特にWi-Fiを利用している場合、ルーターからの距離が遠かったり、電子レンジなどの電波干渉があったり、集合住宅で多くの人が同時に利用していて帯域が混雑しているなど、通信が不安定になる要因は数多く存在します。
通信が不安定だと、大容量のアップデートファイルのダウンロードが途中で何度も中断・再開を繰り返し、結果としてダウンロードだけで数時間かかってしまうことがあります。
2. ストレージの空き容量不足
macOSのアップデートでは、ダウンロードしたインストーラーを展開し、新しいシステムファイルを配置し、古いファイルを整理するための広大な「作業スペース」が内蔵ストレージ上に必要です。
Appleの公式な情報ではありませんが、一般的に最低でも25GB、macOS SonomaからSequoiaへのアップグレードのようなメジャーアップグレードの場合は、45GB以上の十分な空き容量がないと、インストールが途中で停止したり、システムが不安定になったりする直接的な原因となります。
3. セキュリティソフトや常駐アプリの干渉
お使いのMacにインストールしているサードパーティ製のウイルス対策ソフトやファイアウォール、クリーンアップアプリなどが、OSの重要なファイルを書き換えるアップデートプロセスを「システムへの攻撃」や「不審な動作」と誤認識し、ブロックしてしまうことがあります。
これにより、ファイルの書き込みが極端に遅くなったり、エラーで停止したりするケースが報告されています。
4. Appleサーバーの混雑
これはユーザー側で直接対処できる問題ではありませんが、特に影響が大きい要因です。
新しいバージョンがリリースされた直後のピークタイムには、ダウンロード速度が著しく低下します。
何度試してもダウンロードが進まない場合は、焦って何度もクリックするのではなく、数時間後や、アクセスが比較的空いているであろう翌日の早朝などに時間をずらして再試行するのが最も賢明で効果的な解決策です。
アップデート前の環境チェックが成功への鍵
スムーズなアップデートを実現するためには、プロセスを開始する前に、これらの潜在的な問題をあらかじめ解消しておくことが何よりも重要です。
特に「十分な空き容量の確保」と「安定したネットワークの確保」は、ユーザーが自分でコントロールできる最も重要な2大要素です。
これを怠ると、長時間待たされた挙句にアップデートが失敗し、貴重な時間を無駄にしてしまうことになりかねません。
アップデートをしないほうがいいケース

Appleから最新のmacOSへのアップデート通知が届くと、すぐにでも新機能を試したくなるものですが、必ずしも「通知が来たら即アップデート」が全ての人にとって最善の選択とは限りません。
お使いのMacの利用目的や環境によっては、アップデートを少し見送る、あるいは特定の安定したバージョンで使い続ける方が、結果的に賢明な判断となる場合があります。
特に、以下のようなケースに当てはまる場合は、アップデートの実行に慎重になるべきです。
ケース1:業務で使う重要なアプリが新OSに未対応の場合
Adobe Creative Cloudのようなデザインソフト、Microsoft 365(Word, Excel)、会計ソフト、CADソフト、仮想化ソフト(Parallels Desktopなど)、DAW(音楽制作ソフト)といった、仕事や創作活動に絶対に欠かせない特定のアプリケーションが、リリースされたばかりの新しいmacOSにまだ正式対応していない可能性があります。
アプリ開発元の公式サイトにあるサポートページや動作環境の欄を必ず確認し、「macOS Sequoia対応」といった記載がなければ、アップデートは絶対に見送るべきです。
「たぶん動くだろう」という安易な判断でアップデートしてしまうと、「仕事で使うアプリが起動しない」「ファイルが開けない」という致命的な業務停止トラブルに直結する恐れがあります。
ケース2:プリンタやスキャナなど周辺機器のドライバが未提供の場合
プリンタ、スキャナ、ペンタブレット、オーディオインターフェースといった、Macに接続して使用する外部の周辺機器も、新しいOSに対応した「ドライバ」と呼ばれる専用ソフトウェアが必要です。
特に少し古いモデルの周辺機器の場合、メーカーが新しいOSへの対応ドライバを提供しない、あるいは提供が遅れることがあります。
メーカーのサポートサイトで対応状況を確認せずにアップデートすると、今まで問題なく使えていた周辺機器が全く認識されなくなることがあります。
ケース3:リリース直後で未知の不具合情報が多い場合
メジャーアップグレードのリリース直後は、世界中の多様な環境で使われることで初めて発見される、予期せぬバグや不具合が含まれていることが少なくありません。
Appleも迅速に修正アップデートを配布しますが、システムの安定性を最優先するなら、世の中の評価が固まり、最初のマイナーアップデート(例: 15.0.1 や 15.1)がリリースされるまで、1ヶ月ほど様子を見るのも賢明な戦略です。
特にフリーランスの方や、Macが主要な業務ツールである方は、互換性の事前確認は絶対に怠ってはいけないプロセスです。
いきなりメインの作業マシンをアップデートするのではなく、まずは関連情報を徹底的に収集し、可能であればテスト用のサブマシンで試すといった、慎重な姿勢があなたの仕事を守ることにつながりますよ。
アップデートができない古い機種の条件

「ソフトウェアアップデートを確認しても、最新のOSが表示されない」「友人はアップデートできたのに自分はできない」という場合、その原因は、お使いのMacのモデルが新しいOSのサポート対象外である可能性が非常に高いです。
Appleは、新しいmacOSをリリースする際に、そのOSが快適に動作するために必要なグラフィックス性能やプロセッサの機能などを考慮し、ハードウェアの性能要件を満たす特定のモデルを「対応コンピュータ」として公式にリストアップします。
このリストに含まれていない古いモデルは、残念ながらそのOSへアップグレードすることはできません。
ご自身のMacが対応しているかどうかを正確に知るためには、まずモデル名と発売年式を正確に確認することから始めましょう。
お使いのMacのモデルを正確に確認する方法
- 画面左上のAppleメニュー()をクリックします。
- メニューの中から「このMacについて」を選択します。
すると、お使いのMacの概要が表示されたウィンドウが開きます。
そこには、「MacBook Pro (13-inch, M2, 2022)」や「iMac (Retina 5K, 27-inch, 2019)」のように、モデル名と年式が明確に記載されています。
この情報を基に、Appleの公式サイトで公開されている最新OSの対応リストと照らし合わせることで、アップデートの可否が確定します。
macOSバージョン | 主な対応モデル(原則として記載年式以降のモデル) |
---|---|
macOS Sequoia (15) | iMac (2019以降), iMac Pro (2017), Mac Studio (2022以降), MacBook Air (2020以降), Mac mini (2018以降), MacBook Pro (2018以降), Mac Pro (2019以降) |
macOS Sonoma (14) | iMac (2019以降), iMac Pro (2017), Mac Studio (2022以降), MacBook Air (2018以降), Mac mini (2018以降), MacBook Pro (2018以降), Mac Pro (2019以降) |
macOS Ventura (13) | iMac (2017以降), iMac Pro (2017), Mac Studio (2022), MacBook Air (2018以降), Mac mini (2018以降), MacBook Pro (2017以降), Mac Pro (2019以降) |
上記の表は一例です。
お使いのモデルが対応しているかどうかの最も正確で最新の情報は、必ずApple公式サイトの対応コンピュータリストで直接確認してください。
もしお使いのMacが最新OSのサポート対象外となってしまった場合でも、Appleは通常、セキュリティに関わる重要なアップデートを過去2世代のOS(つまり合計3世代)まで提供し続けることが多いため、ただちにMacが危険な状態になるわけではありません。
しかし、新機能の利用や最新アプリケーションの動作は制限されていきます。
macOSのアップデートに時間がかかりすぎる時の解決策
- アップデートができない現象はなぜ起こるのか
- macOSのアップデートが終わらない時の確認点
- アップデートのバーが進まない時の対処法
- 残り30分の表示から終わらない、脱出法は?
- macOSのアップグレードが終わらない時の対処法
- まとめ:快適なmacOSのアップデート時間にするために
アップデートができない現象はなぜ起こるのか

お使いのMacが最新OSのサポート対象機種であるにもかかわらず、アップデートができない、あるいはインストールに失敗してしまう場合、その原因は主にMac本体のソフトウェア設定や使用環境に起因していると考えられます。
問題を一つずつ切り分けて原因を特定することで、適切な対処法が見えてきます。
原因1:圧倒的に多い「ストレージの空き容量不足」
これはアップデート失敗の最も典型的な原因です。
OSのアップデートプロセスは、システムファイルを安全に置き換えるために、多くのデータを一時的に保管する場所を必要とします。
空き容量が不足していると、このプロセスを開始できないか、途中でエラーとなり停止してしまいます。
「このMacについて」からストレージの使用状況を詳細に確認し、不要になった大容量ファイル(ダウンロードフォルダ内の古いファイルや、見なくなった動画など)や、もう使わないアプリケーションを削除して、最低でも25GB、理想的には50GB以上の空き容量を確保してから再試行してください。
原因2:見落としがちな「不安定なインターネット接続」
ダウンロード中にWi-Fi接続が一瞬でも途切れたり、速度が極端に低下したりすると、ダウンロードしたインストーラーファイルが破損してしまうことがあります。
破損したファイルでは正常にインストールできません。
可能であれば、Wi-Fiよりも通信が安定している有線LAN接続に切り替えてアップデートを試みることを強く推奨します。
また、多くの人が利用する公共のフリーWi-Fiや、スマートフォンのテザリングなど、速度や安定性に欠けるネットワークでのメジャーアップグレードは極力避けるべきです。
原因3:破損した「ダウンロード済みインストーラー」
前述のネットワークの問題などでダウンロードが不完全に終わると、インストーラーファイル自体が破損した状態でアプリケーションフォルダに残ってしまうことがあります。
この破損したファイルを何度実行しようとしても、インストールは成功しません。
この場合、Finderを開き、「アプリケーション」フォルダ内にある「macOS [バージョン名] インストール」という名前のファイルを探して、一度ゴミ箱に移動させてください。
その後、再度「ソフトウェアアップデート」からダウンロードを最初からやり直すことで、正常なインストーラーを入手でき、問題が解決することがあります。
まずはこの3つの基本的な項目を徹底的にチェックしてみてください。個人ユーザーが遭遇する「アップデートできない」問題のほとんどは、これらの基本的な環境要因を見直すことで解決へと向かうはずです。
macOSのアップデートが終わらない時の確認点

アップデートを開始したものの、何時間も画面にほとんど変化がなく、「これは終わらないのでは…」と強い不安を感じた時、思わず電源ボタンを長押しして強制終了したくなる衝動に駆られるかもしれません。
しかし、アップデート中の強制終了は、OSのシステムファイルを破壊し、最悪の場合Macが起動しなくなるリスクを伴う危険な行為です。
それは最後の手段として取っておき、まずは以下の点を確認して、本当にフリーズしているのか、それとも単に時間がかかっているだけなのかを冷静に見極めましょう。
アップデートが終わらない時に確認すべき3つのチェックリスト
- 1. 本当にフリーズしているか?(待機時間の確認):特にOSの名前が変わるようなメジャーアップグレードでは、特定の進捗状況(例えばプログレスバーが80%程度の場所)で1時間以上、見た目上は完全に停止しているように見えることも珍しくありません。これはバックグラウンドで大量の細かいファイルのアクセス権を調整しているなど、画面には表示されない複雑な処理を行っているためです。まずは慌てず、少なくとも追加で1〜2時間はそのまま待ってみるという忍耐強さが必要です。
- 2. ネットワーク接続は有効か?(Wi-Fiアイコンの確認):アップデートプロセスの中には、インストール中に追加でコンポーネントをダウンロードする段階が含まれることがあります。画面右上のWi-Fiアイコンを見て、インターネット接続が切れていないかを確認してください。もし切断されている場合は、Wi-Fiアイコンをクリックして再接続を試みてください。
- 3. Appleのサーバーは正常か?(公式情報の確認):ごく稀に、Appleのアップデートサーバー側で障害が発生している可能性もあります。他のデバイスから、Appleの公式サイトにある「システム状況」ページにアクセスしてください。「macOSソフトウェア・アップデート」の項目が緑色の丸で「利用可能」と表示されているかを確認し、サーバー側に問題がないかをチェックしましょう。
これらの客観的な状況を確認し、それでも明らかにおかしい(例えば、一晩放置しても全く変化がないなど)と判断できた場合に限り、次のステップである強制的な対処法に進みます。
しかし、多くの場合、ただ単に処理に時間がかかっているだけ、というケースが多いことを心に留めておいてください。
アップデートのバーが進まない時の対処法

十分な時間待ってもプログレスバーが一向に進まず、完全にフリーズしてしまったと判断できる場合は、システムに介入していくつかの強制的な手段を試す必要があります。
ただし、これらの操作は、お使いのMacがIntelプロセッサを搭載しているか、Appleシリコン(M1, M2, M3など)を搭載しているかによって手順が異なりますので、ご自身のMacの仕様を確認してから実行してください。
対処法1:セーフモードで起動して再試行する
セーフモードは、Macを必要最低限のシステム機能とフォントのみで起動する診断モードです。
サードパーティ製のソフトウェアや不要な機能拡張などが読み込まれないため、それらがアップデートの妨げになっていた場合、セーフモードでなら正常に完了する可能性があります。
【Appleシリコン搭載Macの場合】 まずMacをシステム終了します。
次に、起動オプションのウインドウが表示されるまで電源ボタンを押し続けます。
お使いの起動ディスクを選択した後、Shiftキーを押しながら「セーフモードで続ける」をクリックします。
【Intel搭載Macの場合】 Macの電源を入れた直後、または再起動した直後に、すぐにShiftキーを押し続けます。
ログインウインドウが表示されたらShiftキーを放し、ログインします。
対処法2:NVRAM(またはPRAM)をリセットする ※Intel搭載Macのみ
NVRAM(不揮発性ランダムアクセスメモリ)は、音量、画面解像度、起動ディスクの選択などの設定情報を記憶している小容量のメモリです。
この情報が破損していると、システムの動作に影響を及ぼすことがあります。
Macをシステム終了した後、電源を入れ、すぐに「option + command + P + R」の4つのキーを同時に20秒ほど押し続けます。
起動音が鳴る機種では2回目の起動音が聞こえたら、T2チップ搭載機種ではAppleロゴが2回表示され消えたらキーを放します。
【最終手段】リスクを理解した上での強制終了
上記のどの方法でも解決しない場合の最後の手段が、電源ボタンを10秒以上長押ししての強制シャットダウンです。
ただし、これは実行中のファイルシステムの書き込みを中断させるため、システムファイルを破損させ、最悪の場合Macが起動しなくなる(通称:文鎮化)リスクを伴います。
再起動後に再度アップデートを試みることになりますが、この操作を行う前には、Time Machineなどで作成したバックアップが手元にあることを必ず確認してください。
バックアップは、このような万が一の事態に備えるための最も重要な保険です。
残り30分の表示から終わらない、脱出法は?

macOSのアップデートプロセスにおいて、多くのユーザーが遭遇し、不安になるのが「残り約30分」や「残り1分未満」といった時間の表示から、何時間もプログレスバーが進まないという現象です。
これは一種の「儀式」とも言えるほど頻繁に発生しますが、まず理解すべき最も重要なことは、この表示時間はあくまでもシステムによる大まかな予測であり、全くもって正確ではないということです。
この「残り時間」が表示されている段階では、実は単純なファイルのコピー作業はほとんど終わっているんです。
その代わり、システムの内部では、数百万個にも及ぶファイルのアクセス権の検証と修復、キャッシュの再構築、Spotlight(Mac内検索機能)のインデックスの再作成など、非常に複雑で時間のかかる処理がバックグラウンドで行われています。
これらはCPUやストレージに大きな負荷をかける処理のため、見かけ上はフリーズしているように見えても、Macは懸命に作業を続けていることが多いんですよ。
したがって、この表示で止まってしまった場合の最も有効かつ安全な「脱出法」は、皮肉なことに「何もしないで、ただひたすら辛抱強く待つこと」なのです。
コーヒーを淹れたり、他の用事を済ませたりして、少なくとも1〜2時間はそのまま放置してみてください。
多くの場合、ユーザーが忘れた頃に画面が切り替わり、自動的に再起動がかかってアップデートが無事に完了します。
それでも全く進む気配がない場合(例えば、半日以上放置しても変化がないなど)は、ネットワーク接続が何らかの理由で切れていないかを確認し、最終的には前述の「アップデートのバーが進まない時の対処法」で紹介したセーフモードでの起動や、リスクを承知の上での強制再起動を試すことになります。
しかし、まずは「待つ」ことが基本方針であり、焦りは禁物であると強く心に留めておきましょう。
macOSのアップグレードが終わらない時の対処法

様々な対処法を試してもアップデートが完了しない、あるいは強制終了後にMacが起動しなくなってしまった、といった最悪の事態に陥った場合、残された解決策はmacOS自体を再インストールすることです。
これはOSのシステム部分をクリーンな状態に戻す最も抜本的な解決策ですが、手順を間違えると大切なデータを失う危険性も伴うため、慎重に実行する必要があります。
そのための強力な機能が、Macに標準で搭載されている「macOS復旧(リカバリーモード)」です。
リカバリーモードからのmacOS再インストール手順
- まず、Macの電源を完全に切ります(システム終了)。
- リカバリーモードでMacを起動します。この手順はプロセッサの種類によって異なります。
【Appleシリコン搭載Macの場合】 「起動オプションを読み込み中」というメッセージが画面に表示されるまで、電源ボタンを押し続けます。その後、歯車の形をしたアイコンの「オプション」を選択し、「続ける」をクリックします。
【Intel搭載Macの場合】 電源を入れた直後、すぐに「command (⌘) + R」のキーを同時に押し続けます。Appleロゴや回転する地球儀が表示されたら、キーを放します。 - しばらくすると「macOSユーティリティ」というウインドウが表示されます。その中から「macOS [バージョン名] を再インストール」を選択し、画面の指示に従って進めてください。これにより、インターネット経由でOSがダウンロードされ、インストールが開始されます。
【最重要】操作前のバックアップの確認は絶対です
この「macOSを再インストール」オプションは、通常、ユーザーのホームフォルダ内にある個人的なファイルやデータ(書類、写真、音楽など)を消去せずに、OSのシステム部分のみを新しいものに上書きします。
しかし、インストールプロセス中に予期せぬエラーが発生したり、ストレージに物理的な問題があったりした場合、データが消失する可能性はゼロではありません。
この操作を実行する前に、Time Machineなどを使って外部ストレージに完全なバックアップが作成されていることを絶対に、絶対に確認してください。
バックアップがない状態でこの操作に臨むことは、あなたの大切な思い出や仕事のデータを全て失うリスクを伴う、非常に危険な行為です。
まとめ:快適なmacOSのアップデート時間にするために
これまで見てきたように、macOSのアップデートは様々な要因で時間がかかったり、予期せぬトラブルが発生したりすることがあります。
最後に、こうした問題を未然に防ぎ、できる限りストレスなく快適なmacos アップデート 時間を実現するための、集大成ともいえるチェックリストをまとめました。
アップデート前には、この項目を一つずつ確認する習慣をつけましょう。
【完全版】スムーズなmacOSアップデートのための準備リスト
結局のところ、スムーズで快適なアップデート体験は、運ではなく、周到な事前準備によってもたらされるのです。
このリストを活用し、安全で確実なアップデートを成功させてください。