パソコンを使っていて、急に音が出なくなり「ミュートを解除できない」と困った経験はありませんか。
特に、Windows10やwindows11へのアップデート後などに発生しやすいこの問題は、多くのユーザーを悩ませています。
パソコンのミュートが外れないのはなぜか、そもそもミュートマークはどこにあるのか、そして解除するボタンはどこにあるのか、基本的な部分からわからなくなってしまうことも少なくありません。
キーボードの操作や便利なショートカットを試しても反応しない、あるいはミュート解除しても音が出ないというさらに厄介な状況に陥ることもあります。
また、Teamsでミュート解除できない、特定のメーカーであるDellでミュート解除できない、Dynabookのミュート解除ができないなど、環境に依存した問題も存在します。
この記事では、これらの様々な原因と状況に応じた具体的な解決策を、初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説していきます。
パソコンでミュート解除できない原因と基本の確認方法
- パソコンのミュートが外れないのはなぜ?
- そもそもミュートマークはどこにあるのか
- ミュートを解除するボタンはどこにある?
- キーボードを使ったミュート解除の操作方法
- 便利なミュート解除のショートカットキー
- ミュート解除しても音が出ない場合の対処法
パソコンのミュートが外れないのはなぜ?

パソコンのミュートが突然解除できなくなる原因は、一つだけではありません。
主に、ソフトウェア側の設定ミス、オーディオドライバーの不具合、そしてハードウェア(物理的な機器)の問題の3つに大別されます。
ソフトウェアの問題としては、OS全体の音量設定がミュートになっている、あるいは意図せず変更されてしまったケースが最も一般的です。
また、Web会議ツールや動画再生ソフトなど、特定のアプリケーションだけがミュート設定になっていることもあります。
OSのアップデートがきっかけで、サウンド設定が予期せず変更されてしまうことも少なくありません。
次に、オーディオドライバーは、OSとスピーカーやヘッドフォンといった音響機器とを繋ぐ重要なプログラムです。
このドライバーが古かったり、破損していたりすると、OSからの音声信号が正しく伝わらず、音が出ない、ミュートが解除できないといった症状を引き起こします。
ハードウェアの故障も視野に
ソフトウェアやドライバーに問題がない場合、キーボードのミュートボタンやPC本体のスピーカー、接続しているヘッドセットなどの物理的な故障も考えられます。
様々な解決策を試しても改善しない場合は、ハードウェアの不具合を疑う必要があります。
これらの原因を一つずつ切り分けて確認していくことが、問題解決への近道となります。
そもそもミュートマークはどこにあるのか

ミュート状態であることを示す「ミュートマーク」は、主にOSの画面上と、お使いのパソコン本体やキーボード上に表示されます。
最も一般的なのは、Windowsの画面右下にあるタスクバーの通知領域です。
ここにあるスピーカーのアイコンに「×」印や斜線が入っている場合、システム全体がミュート状態であることを示しています。
Windowsのバージョンによってアイコンのデザインは若干異なります。
Windowsバージョン | ミュートマークの特徴 |
---|---|
Windows 10 | スピーカーアイコンの隣に「×」が表示される。 |
Windows 11 | スピーカーアイコン自体に斜線「/」が入る。 |
また、アプリケーションによっては、独自のミュートマークが表示されることもあります。
例えば、TeamsやZoomといったWeb会議ツールでは、通話画面内にマイクやスピーカーのアイコンがあり、ミュート状態だとそこに斜線が入ります。
物理的なミュートランプも確認
一部のノートパソコン、特にLenovoのThinkPadシリーズなどでは、キーボードのファンクションキー(例:F1キー)にLEDランプが搭載されています。
このランプがオレンジ色などに点灯している場合、ハードウェアレベルでミュートが有効になっていることを示しています。
まずはこれらのマークが表示されていないかを確認することが、最初のステップです。
ミュートを解除するボタンはどこにある?

ミュートを解除するための「ボタン」は、画面上でクリックするソフトウェアボタンと、物理的に押すハードウェアボタンの2種類が存在します。
ソフトウェア上の解除ボタン
最も基本的な解除ボタンは、前述のタスクバーにあるスピーカーアイコンです。
このアイコンをクリックすることで、ミュートを解除できます。
詳しい手順はOSのバージョンによって異なります。
- Windows 10: タスクバーのスピーカーアイコンをクリックし、表示された音量スライダーの左にあるスピーカーマークをクリックします。
- Windows 11: タスクバーのスピーカーアイコンをクリックしてクイック設定を開き、音量スライダーの横にあるスピーカーマークをクリックします。
このほか、「音量ミキサー」や「サウンドの詳細設定」画面にも、アプリケーションごとやデバイスごとのミュート解除ボタンが配置されています。
ハードウェア上の解除ボタン
多くのノートパソコンには、キーボードの上部にあるファンクションキー(F1~F12)にミュート機能が割り当てられています。
通常、スピーカーに斜線が入ったアイコンが印字されており、このキーを押すことでミュートのオン・オフを切り替えられます。
意外と見落としがちなのが、キーボードやヘッドセット自体についている物理的なミュートスイッチです。
特に外付けのオーディオ機器を使っている場合は、まず機器本体のスイッチを確認してみてくださいね。
多くの場合、「Fn」キーとファンクションキーを同時に押す必要がありますが、機種によってはファンクションキー単体で動作する設定(Fn Lock)になっていることもあります。
お使いのPCの取扱説明書を確認してみましょう。
キーボードを使ったミュート解除の操作方法

マウスを使わずに、キーボードだけでミュートを解除できると非常に効率的です。
ほとんどのノートパソコンには、そのための専用キーが用意されています。
一般的には、キーボード上部のファンクションキー列(F1~F12)に、音量調整の機能が割り当てられています。
ミュート機能は、スピーカーに斜線が入ったマークや「×」がついたマークが印字されているキーです。
代表的なキーは以下の通りですが、メーカーや機種によって異なります。
- F1キー(Lenovoなど)
- F2キーまたはF3キー(HP、Dellなど)
- F4キー
これらのキーを押すことで、ミュート状態を切り替えることができます。
ただし、多くの機種では「Fn」キーを左手で押しながら、該当のファンクションキーを押す必要があります。
もしファンクションキーを押しても反応がない場合は、「Fn」キーとの同時押しを試してください。
「Fn Lock」機能に注意
一部のPCには「Fn Lock(ファンクションロック)」機能が搭載されています。
「Esc」キーなどに鍵マークと共に「FnLk」と書かれているのが目印です。
「Fn」キーとこの「Fn Lock」キーを同時に押すことで、ファンクションキーの動作を切り替えられます。
ミュートキーが効かない場合、このロック状態が意図しない設定になっている可能性も考えられます。
便利なミュート解除のショートカットキー

ファンクションキー以外にも、Windowsの機能や特定のアプリケーションには、ミュートを操作するための便利なショートカットキーが用意されています。
Web会議などで一時的に発言したい時に役立つのが、アプリケーション固有のショートカットです。
毎回マウスでミュート解除ボタンを探す手間が省け、非常にスムーズなコミュニケーションが可能になります。
主要なWeb会議ツールのショートカット
以下のショートカットは、会議の生産性を大きく向上させるため、覚えておくと大変便利です。
アプリケーション | ショートカットキー | 機能 |
---|---|---|
Microsoft Teams | Ctrl + Shift + M | マイクのミュート/ミュート解除を切り替える。 |
Zoom | Alt + A | マイクのミュート/ミュート解除を切り替える。 |
Zoom | スペースキー長押し | 押している間だけ一時的にミュートを解除する。 |
Google Meet | Ctrl + D | マイクのミュート/ミュート解除を切り替える。 |
特にZoomのスペースキー長押しによる一時的なミュート解除は、普段はミュートにしておき、発言したい時だけ押すという「トランシーバー」のような使い方ができ、非常に直感的で人気のある機能です。
OSレベルでのショートカットは一般的ではありませんが、一部の古い情報では「Windowsキー + X」で表示されるメニューからサウンド設定にアクセスする方法も紹介されています。
しかし、現在はアプリケーションごとのショートカットを覚える方が実用的と言えるでしょう。
ミュート解除しても音が出ない場合の対処法

タスクバーやキーボードでミュートを解除したにもかかわらず、依然として音が出ないという場合は、別の原因が潜んでいる可能性があります。
この状況では、以下の項目を順に確認していきましょう。
1. 出力デバイスの選択を確認する
最もよくある原因が、意図しない出力デバイスが選択されているケースです。
例えば、ヘッドフォンを接続していないのに、出力先が「ヘッドフォン」になっていると、当然PC本体のスピーカーからは音が出ません。
確認手順 (Windows 11の場合):
- タスクバーのスピーカーアイコンを右クリックし、「サウンドの設定」を選択します。
- 「出力」セクションで、「サウンドを再生する場所を選択」の項目を確認します。
- PCのスピーカー(例: Speakers (Realtek High Definition Audio)など)が正しく選択されているかを確認し、違っていれば正しいデバイスをクリックします。
2. アプリケーションごとの音量を確認する
システム全体の音量は正常でも、特定のアプリケーションだけ音量がゼロまたはミュートになっていることがあります。
「音量ミキサー」機能で確認しましょう。
確認手順 (Windows 11の場合):
- 「サウンドの設定」画面で、「音量ミキサー」をクリックします。
- 「アプリ」の項目に表示されている各アプリケーションの音量スライダーがゼロになっていないか、スピーカーアイコンがミュートになっていないかを確認します。
3. Windows標準のトラブルシューティングツールを実行する
Windowsには、音声に関する問題を自動で検出し、修復を試みてくれる便利な機能が搭載されています。
トラブルシューティングの実行手順 (Windows 11の場合):
- 「設定」→「システム」→「トラブルシューティング」に進みます。
- 「その他のトラブルシューティング ツール」をクリックします。
- 「オーディオの再生」の横にある「実行する」ボタンを押すと、診断が開始されます。
画面の指示に従って操作を進めるだけで、ドライバーの問題などが自動的に解決される場合があります。
OS・機種別でパソコンのミュート解除できない時の対処法
- Windows10でのミュート解除手順
- Windows11でのミュート解除手順
- Dynabookのミュート解除ができない場合
- Dellでミュート解除できない時の解決策
- Teamsでミュート解除できない原因と対策
- どうしてもパソコンのミュート解除できない時の総まとめ
Windows10でのミュート解除手順

Windows 10でミュートを解除するには、いくつかの方法がありますが、ここでは代表的な2つの手順を解説します。
方法1:タスクバーから素早く解除する
最も簡単で一般的な方法です。
- 画面右下のタスクバーにあるスピーカーアイコン(スピーカーの隣に×印がついている状態)をクリックします。
- デスクトップに音量調整のスライダーが表示されます。
- スライダーの左側にある「ミュートの切り替え」アイコン(スピーカーに×印)を一度クリックします。
これで×印が消え、ミュートが解除されます。スライダーを動かして適切な音量に調整してください。
方法2:サウンドのコントロールパネルから詳細に設定する
タスクバーの操作で解除できない場合や、特定のデバイスだけミュートになっている場合は、コントロールパネルから設定を確認します。
- タスクバーのスピーカーアイコンを右クリックし、表示されたメニューから「サウンドの設定を開く(E)」を選択します。
- サウンド設定画面の右側にある「関連設定」の中から、「サウンド コントロール パネル」をクリックします。
- 「サウンド」という別のウィンドウが開きますので、「再生」タブを選択します。
- 現在使用しているスピーカーやヘッドフォン(通常は緑のチェックマークが付いています)を選択し、右下の「プロパティ」ボタンをクリックします。
- プロパティ画面で「レベル」タブに切り替えます。
- ここにあるスピーカーアイコンに禁止マークが付いていたらミュート状態です。このアイコンをクリックしてミュートを解除し、「OK」ボタンを押して画面を閉じます。
この「レベル」タブでは、左右のスピーカーのバランス調整も可能です。
何らかの拍子に片方の音量だけがゼロになっている可能性もあるため、念のため確認してみると良いでしょう。
Windows11でのミュート解除手順

Windows 11では、ユーザーインターフェースが変更されており、Windows 10とは少し操作方法が異なります。
こちらも2つの手順を紹介します。
方法1:クイック設定から簡単に解除する
Windows 11では、タスクバーのアイコンをクリックすると「クイック設定」パネルが開きます。
- タスクバーの通知領域にあるスピーカーアイコン(スピーカーに斜線が入った状態)を一度クリックします。
- 「クイック設定」パネルが表示されます。
- 音量スライダーの横にある「音量のミュート解除」アイコン(スピーカーに斜線)をクリックします。
これでアイコンの斜線が消え、ミュートが解除されます。
方法2:設定アプリから詳細に確認する
より詳細な設定や、特定のアプリのミュートを解除する場合は「設定」アプリを使用します。
- タスクバーのスピーカーアイコンを右クリックし、表示されたメニューから「サウンドの設定」を選択します。
- 「システム > サウンド」の画面が開きます。
- 「出力」セクションで、正しい出力デバイス(スピーカーやヘッドホン)が選択されていることを確認します。
- デバイス名の右側にあるスピーカーアイコンをクリックすることで、ミュートのオン・オフを切り替えられます。
- 特定のアプリだけ音が出ない場合は、同じ画面を下にスクロールして「音量ミキサー」をクリックし、アプリごとの音量設定を確認・解除してください。
Windows 11のUIには最初は戸惑うかもしれませんが、慣れると設定項目が整理されていて分かりやすいですよ。
特に「音量ミキサー」がアクセスしやすくなったのは大きな改善点ですね。
Dynabookのミュート解除ができない場合

Dynabook(旧東芝)製パソコンでミュートが解除できない場合、Windowsの標準設定に加えて、メーカー独自の機能を確認する必要があります。
まず試すべきは、キーボードのファンクションキーです。
多くのDynabookには、キーボード上部にスピーカーに斜線が入ったマークのキーが配置されています。
このキーを「Fn」キーと同時に押すことで、ミュートを切り替えられるか試してみてください。
それでも解決しない場合は、サウンドドライバーに問題がある可能性が考えられます。
ドライバーはPCの動作を支える重要なソフトウェアであり、これが不調をきたすと音が出なくなることがあります。
公式サイトから正しいドライバーをインストールする
ドライバーの再インストールは、多くの音声トラブルを解決する有効な手段です。
- お使いのDynabookの正確な機種名(例: dynabook T8など)を確認します。本体の裏側や保証書に記載されています。
- Dynabookの公式サイトにある「サポート」ページにアクセスします。
- お使いの機種名を検索し、ダウンロードページから「サウンドドライバー」または「オーディオドライバー」を探します。
- ダウンロードしたドライバーの指示に従って、インストールを実行します。インストールの完了後、必ずパソコンを再起動してください。
ドライバーは、必ず公式サイトから入手するようにしてください。
不明なサイトからダウンロードすると、ウイルス感染のリスクがあります。(参照:dynabook サポートサイト)
Dellでミュート解除できない時の解決策

Dell製のパソコンでミュートが解除できないトラブルは、多くの場合、Dell独自のオーディオ管理ソフトウェアが影響しています。
DellのPCには、「Waves MaxxAudio Pro」や「Dell Audio」といったサウンド強化・管理ソフトがプリインストールされていることがあります。
これらのソフトウェアがWindowsの標準サウンド設定と競合し、意図しないミュート状態を引き起こすことがあるのです。
1. Dellのオーディオ管理ソフトを確認する
まずは、これらの専用ソフトの設定を確認しましょう。
- スタートメニューから「Waves MaxxAudio Pro」や「Dell Audio」といったアプリを探して起動します。
- アプリのメイン画面や設定画面に、ミュートボタンや音量スライダーがないか確認します。もしここでミュートになっていれば解除してください。
場合によっては、この管理ソフトを一度アンインストールし、Windows標準のドライバーに切り替えることで問題が解決することもあります。
ただし、PCの音質が変わる可能性があるため、最終手段として考えましょう。
2. Dell SupportAssistを活用する
Dellには「SupportAssist」という非常に便利な診断・サポートツールが用意されています。
これを利用して、オーディオの問題を自動で診断・修正することができます。
- スタートメニューから「Dell SupportAssist」を起動します。(見つからない場合はDell公式サイトからインストールできます)
- ホーム画面で「トラブルシューティング」タブを選択します。
- 「特定のハードウェアをスキャンしたい」といった項目から「オーディオデバイス」または「サウンドカード」を選択し、スキャンを実行します。
このツールは、ハードウェアの故障診断だけでなく、最新のオーディオドライバーを自動で検出してインストールしてくれる機能もありますので、非常に頼りになります。(参照:Dell SupportAssist公式サイト)
Teamsでミュート解除できない原因と対策

Microsoft Teamsでの会議中にミュートが解除できなくなる問題は、主にTeamsアプリ内の設定とWindowsのプライバシー設定の2つが原因です。
「自分の声が相手に届かない」という状況は、PC本体のミュートとは別に、Teamsのマイクがミュートになっているために起こります。
原因1:Teamsアプリ内のデバイス設定
Teamsが使用するマイクやスピーカーが正しく選択されていない可能性があります。
- Teams会議画面の上部にある「…」(その他の操作)をクリックし、「デバイスの設定」を選択します。
- 右側に表示される設定パネルで、「オーディオデバイス」の項目を確認します。
- スピーカーとマイクが、現在使用している正しいデバイス(例: 内蔵マイク、USBヘッドセットなど)に設定されているかを確認します。意図しないデバイスが選択されている場合は、ドロップダウンメニューから正しいものを選択し直してください。
原因2:Windowsのマイクアクセス許可設定
Windowsのプライバシー設定により、Teamsがマイクにアクセスすること自体がブロックされているケースです。
マイクのアクセス許可を確認する手順 (Windows 11):
- Windowsの「設定」を開き、左のメニューから「プライバシーとセキュリティ」を選択します。
- 「アプリのアクセス許可」セクションにある「マイク」をクリックします。
- 一番上にある「マイクへのアクセス」と、その下の「アプリにマイクへのアクセスを許可する」の両方がオンになっていることを確認します。
- さらに一覧を下にスクロールし、「デスクトップ アプリにマイクへのアクセスを許可する」もオンになっていることを確認します。これがオフだとTeamsはマイクを使用できません。
これらの設定を確認しても解除できない場合は、一度Teamsアプリを完全に終了し、再起動してみることも有効です。